柔らかいフローリング?硬いフローリング?
フローリングの素材には大きく2種類あります。防音用の吸音材が入っているL45(エルヨンジュウゴ)といわれる床材が一つ。もう一つは通常の硬いフローリング材を使用するケースです。ただし、L45の床材を使用しなくても最近は吸音材の入ったフローリング下の下地材(置床支持脚)を使用することで同等の吸音効果を出して対応するケースもあります。これは二重床と言われる施工方法です。
特に一時期よく使用されたLL45と言われるさらに吸音効果の高い床材は踏み込んだ際に柔らかい感触が強くあり、その感触が苦手なお客様が多くいました。そのため、同等の吸音効果でそういった柔らかい感触の無い二重床を採用するお客様が増えています。また、フローリングの素材自体も色々なものがあります。無垢材を使用した高級なものから、表面が木目のように見えて実は印刷のシートが張られているフローリング材もあります。
木材の種類自体もウォルナット、オーク、パイン等多くの種類があります。その中からどういった床材を選ぶべきかを検討していきましょう。
無垢材ってどうよ?
リノベーションにおいてよく提案を希望される床材に無垢材があります。無垢材は確かに仕上がりはとてもきれいで自然感があり人気があります。実際に無垢材自体はとても良い品質の床材であることが多いです。しかし、メンテナンスという観点からいうと必ずしも無垢材が良いとは言い切れません。
無垢材は素材によってはワイン等の染みがつきやすい水分をこぼすと汚れがおちません。削って落ちる事もありますが、コーティングされていないため、樹脂の目に染みが入りやすく無垢材自体が染まってしまうからです。また、無垢材のフロアを1枚ずつ貼るため目地ができやすくそこにゴミが詰まるというデメリットもあります。
窓際等で湿気が多い場所の無垢材が変色してしまう事例もあるため、長期に渡ってメンテナンスをする覚悟もある程度視野に入れて導入されることをお勧めします。試しにネット検索で「無垢材 汚れ」と検索してみると良いかと思います。また、床材に傷が入った際に「リペア」という修復工事をして床の傷を隠すメンテナンス方法があるのですが、無垢材に関してはこの「リペア」での修復が難しいケースが多いです。
ただし、それでも「無垢材はとてもいい床材」です。どちらの立場なんだ?と思われるかもしれませんがモノがいいという事だけは断言できます。そしてやはり無垢材で仕上がったばかりのリノベーションされた部屋は最高に美しいです。お客様がどうしても無垢材という強い意志があるのであればぜひおすすめしたい床材です。
色のバリエーション
フローリングの硬軟や素材をカタログやサンプル等である程度決めた後に、最後は色の選定があります。色に関しても多くの種類がありますが、フローリングは自然素材が多いため、他のキッチンやユニットバス程多様な色があるわけではありません。
そのため、お客様の中である程度好きな色や建具の色が決まっていれば迷わず決められるケースが多いです。好きな色でいくべきか、お部屋全体のトーンと合わせたいん場合は建具と同じ色にすべきか。そのどちらかで迷われるケースが多いです。
フローリングのグレード別のカタログの中で、白系であれば3種類、ブラウン系であれば3種類、ベージュ系であれば3種類といったそれほど多くの選択肢も無いケースが多いため大まかに色が決まればそこから先の選択ではあまり悩まれないのかもしれません。
ただし、小さなフローリングのサンプルや写真だけではわからないかもしれませんので、もしもっと大きなサンプルを見たい場合はメーカーのショールームに行くことをお勧めします。また、一般的によく使われるフローリングであればリノベ工事会社の施工事例写真も豊富にあるケースが多いため施工事例を多く見せてもらうのも良いかと思います。
床材も価格幅が大きい
フローリングもメーカーごとにいくつかのブランドを持っている事があります。特に大建工業や朝日ウッドテック等のフローリングに力を入れているメーカーであれば複数のブランドを展開しています。当然ですが、そのブランドごとにフローリングの単価も異なります。
「フローリングなんて高くてもそんなに変わらないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、試しに高級なフローリングのカタログをご覧頂ければわかりますが、見た目からしてとてもいいものが多いです。
また、工事会社に見積の際にどれくらいのレベルのフローリングを使いたいのかをあらかじめ伝えておけると正確な見積が出やすいです。フローリング自体はとても広いスペースを張り替えます。1箱で1坪(約3.3㎡)の床材が入っていますので、60㎡のマンションになると20箱近く仕入れます。そのため、1箱の単価が高いと×20倍になります。予算にも注意して適切なフローリング材を選択していきましょう。