リノベーションの基本

内装工事について知ろう

カドウリツRENO リノベーション 内装工事

最後のオオトリ

内装工事の主たる作業はクロス(壁紙)とクリーニングです。特にクロスに関しては最後の仕上げ作業となり、目につく範囲も広いため仕上がりの出来を左右します。

クロスは下地処理からスタート

クロス張りに関しては最初から壁のボードにクロスを張っていけるわけではなく、石膏ボード同士の継ぎ目を埋めるパテ処理からスタートします。

ボード同士の隙間を埋める

石膏ボード同士の継ぎ目だけではなく、石膏ボードを止めているビス穴に関してもパテを打っていきます。意外と知られていないのがこの作業です。

クロスはツルツルのきれいな壁にいきなり張るのではなく、継ぎ目やビス穴がある箇所をパテ処理できれいにしてから貼ります。

クロス職人はパテ名人

そのため、クロス職人はクロスの張り方がうまいか否かという点でも評価されますが、同じくらい下地処理、つまりパテ処理が上手いか下手かで評価が別れます。

特にリノベーション工事の場合は室内の大半の石膏ボードが新規壁といわれる新しい壁になります。下地処理が下手な職人がパテを打つと仕上がりに凹凸が目立つ等台無しにしてしまいます。

パテは数回打ってから研ぐ

パテは一度だけ打って終わりではなく、乾燥させた後に2回目のパテを打ちます。下地の石膏ボードの状況によっては更に複数回打つ事があります。

パテは乾燥させた後に研ぐ作業に入ります。この研ぐ作業が結構大変でして平坦に仕上がるか否かはこの作業にかかってきます。

余談ですが、このパテ研ぎ作業は大量の乾燥したパテの粉が出ます。そのため室内に粉塵が舞いますので事前に床に段ボール上の養生シートを敷き詰めておきます。

パテ処理は粉が大量に出る

たまに、お客様がこの石膏ボードの大量の粉塵を見ると、もうすぐ仕上がると聞いていたのに大丈夫なのかな?と不安になるくらい室内が粉まみれになります。

しかし、このプロセスはどうしても避ける事が出来ません。腕の良いクロス職人の場合このパテ打ちを1日~2日で短期間で段取りよく終わらせます。

クロスの最初の状態

パテ処理が終わったらクロスを張っていきます。クロスはロール状の状態で紙シートに梱包されて現場に納品されます。

1本のロールの長さが50mです。海外製のクロスですとサイズが変わりますが、日本製のクロスの場合はほとんどがこの基準のサイズで納品されます。

クロス自体には糊はついていません。そのため、クロスに糊を着ける作業を現場で行います。簡単に言うと巨大なシールを作るような作業になります。

クロスに糊付けを行うには「糊付け機」という機械を使います。糊自体は30㎝四方の小さな段ボールに濃縮された専用糊を現場で水で溶く作業を撹拌機という機械を使って行います。

この糊を作る作業も職人さんの腕が試される場面でして、糊を攪拌するには一定の水量が決まっているのですが季節や建物状況により糊の濃さを少し調整して糊を作る必要があります。

その点は経験が浅い職人が糊を作ると冬場の乾燥した現場でいつも通りに糊を作ったら、すぐに糊が乾いてしまって張る前にクロスの大半を無駄にしてしまうという事もあります。

クロスを張り終わったら

クロスは縮む

クロスは先述の通り、糊を水で溶いて糊付け機で糊を着けた後に貼っていきます。そのため乾燥した後に水分が蒸発す分少し縮む事があります。

そのため施工時に縮みを防止するためにコーキング剤というボンドのようなものを下地に入れて張るケースもあるのですが、それでも縮んで目立つ場合は張り直しを実施します。

ただし、経年でどうしても継ぎ目が乾燥して開いてきたりというのはやむを得ない現象なのでその点は現場監督が引渡し時に説明をしてどれくらいの期間まで保証して修理するのかを明確にしておいた方がいいでしょう。

よくクロスの継ぎ目が生じるのは職人の腕が悪いからだという評価をされている方を見ますが、上記のプロセスを知って頂くと必ずしもそうではない事がわかるかと思います。

クロスの材質や糊の濃さ、気象条件によって乾燥するケースが稀にあります。そういった悪条件が重なると継ぎ目が開いてくる事があるのです。

むしろ、クロス職人の腕の良しあしを判断するのであれば、壁際等の端の処理がキレイにされているかを見た方がいいです。また、下地処理の凹凸がなくキレイにパテを打っているか否かも判断のポイントです。

最後のクリーニング

クロスを貼り終えたら水道設備の職人さんがトイレの便器や洗面台等のクロスを張った後に取り付ける器具を取り付けます。電気のスイッチ、コンセントもこのタイミングで取り付けます。

器具付けと言われる工程でこの工程を経てから最後にクリーニング作業に入ります。

丁寧に養生を剥がすのもコツがいる

リフォーム後のクリーニングは掃除作業なので、誰でも出来る簡単な作業かと思われますが、必ずしもそうではありません。

丁寧に器具類に貼られている養生を剥がし、設備の一つ一つの汚れを掃除していく必要があります。2LDK~3LDKであっても作業は一日程度で完結させる必要があるので非常にハードな作業です。

また、クロスのパテの粉の処理もこのタイミングでやるケースが多く、室内は新品だけれども粉まみれの状況で作業がスタートします。

ただし、当然ですが、このクリーニング工事をしっかりやっておかないと一般の方の目に見える汚れまみれのお部屋ではここまでの工事が台無しになります。

最後まで手を抜けない大事な工事になります。