きっちり細かく
概算見積りを依頼して金額感もだいたい合っていて、プランの話し合いもある程度出来そうであれば正式見積りを依頼しましょう。正式見積もりは実際にリノベする物件にお邪魔して採寸やご要望を伺いながら進めます。
図面や写真では判断できない天井裏や壁中を点検口を外しながら確認します。また、実際にどういった間取りにしたいか、また設備はどういうグレードのものがいいかを確認しながら正確なお見積もりに必要な情報を収集します。
室内のチェック作業は概ね1時間くらいですが、広いお部屋になるともう少し時間が必要になる事もあります
ジタンテクニック
ただし、あまり室内の調査時間が長くならないように様々な工夫をします。例えば当社では全天球カメラという360°上下左右に撮影できるカメラで時間短縮を図る事もあります。
この全天球カメラを使うと特に電気のスイッチやコンセントの個数や位置は現場で数える時間を削減する事ができます。
現地調査のメインはとにかく「測る事」です。ドアの枠や浴室の内寸等、測れる所は片っ端から測ります。メジャーで測るには時間のかかる距離のある場所はレーザー測定器で採寸をしていきます。
そうしてびっちりと採寸とヒアリングをした情報を持ち帰って見積を作成します。正式見積りは長くて1週間後までには提出します。ここであまり長い時間見積りが出てこない会社は注意しましょう。
見積もりが出てこない時は要注意
見積りに時間がかかる要因は
・担当者が不足していて時間が足りない
・見積りを作成するための情報が不足している
のどちらかと予想されるからです。担当者が不足している場合は施工が始まってからも同じ状況が予想され、施工遅延が予想されます。見積の担当者が手が回っていない場合は施工管理の社員も手一杯の状況であるケースが多いからです。
また、見積りを作成するための情報が不足している状況とは、特定の工事の資材費や施工費が調べられずに見積りを作成できないケースの事を言います。
この場合も、何件もリノベ工事をやっている工事会社であれば職人や仕入れ先を複数抱えているため、調べようと思えば大概の事はすぐに答えがでます。また、仮にあまり例のない工事の見積りが一部あったとすれば、その項目だけ外して先にお見積もりを出す事もできるはずです。
お客様からしたら一部が抜けた内容であっても早くお見積もりは見たいはずです。また、一部工事が抜けていても金額感や内容がある程度想定したものであるか否かを先に判断できるため早く見積りが出るに越した事はありません。
こういった見積り時点の段取りや気遣いからリノベのパートナーとして組める会社か否かという判断も出来るかと思います。
正式見積をもらったら一つずつ内容を精査していきましょう。各項目一つずつで不明な点があれば質問をすべきです。特に〇〇一式と書いてある一式工事の内訳や品番や型番の書いてない材料があれば確認をしましょう。
通常は御見積書と一緒に、提案資料としてユニットバスやキッチン等の提案資料も一緒に付属して提出されます。そういった資料も無く1枚ペラの見積書だけ渡された場合は注意が必要です。
まともに提案資料も用意できない状態で提案してきているというのは恐らくそれほど案件数もこなしていない会社である可能性もあるからです。見積書というと金額の総額だけ目が行きますが内容を必ず精査しましょう。
特に相見積を取っている場合は注意が必要です。総額が安かったけど工事内容がスカスカで思ったのと違った部屋が出来たというケースもあれば、総額が高かったけどよくよく聞いたら気遣ってくれて余分な工事も入っていただけだったというケースもあります。気遣ってくれている工事会社の方が結果として思い通りの部屋が出来る可能性は高いでしょう。
また、違う会社の見積書同士を比較して見るのも結構大変です。そこで、もし可能であればここにしようかと決めている会社に他社の見積書を見せてしまい相談をしてしまいましょう。
そこで公平な視点で比較をしてアドバイスをしてくれる会社がであればかなり信用度は高いです。逆に他社の悪口ばかり言う会社であれば要注意かもしれません。私達も時にライバル会社でありながら見事な御提案書や御見積書を見る事があります。
この仕事が好きな者同士であれば素直に良い提案は良いと言ってしまうものです。もし、それで仕事が取れなくても良い勉強をさせてもらったと思って感謝します。プロ同士というのはそういう者だと思っています。
このように多角的な視点で御見積書を精査して実際に依頼する会社を決めましょう。