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第6回・ビルリノベ詳細解説・サッシ工事

サッシ交換 ビルリノベーション カドウリツRENO

窓ごと変える

ビルリノベーションの詳細解説。今回は「プロジェクトY・サッシ工事編」です。サッシは経年が進んでいるため今回の工事でオーナー様が交換を希望されました。

窓ガラスではなく、サッシ(窓そのもの)の交換をしました。どのように交換をするかを解説します。

古いサッシの枠に被せる

既存サッシを全て取り外して新たに新しいサッシを取り付けると外壁を痛めるリスクがあります。またサッシの交換も手間も非常に多くかかります。

そこで、通常は古いサッシの上から新しいサッシの枠を被せるカバー工法という工法を用います。古いサッシの枠自体は完全に新しいサッシに隠れてしまうため見えなくなります。

https://www.fujisash-renewal.co.jp/reform/window/cover/

不二サッシリニューアル株式会社

難点があるとすれば一回りサッシが小さくなります。ですが、ほとんどのお客様は気が付かない程度の大きさの変化になります。

この工法はマンションの大規模修繕等でも用いられます。いくつもの同じサッシの交換を行う大規模修繕においては既存サッシの上から被せるカバー工法の方が採寸のミスも減るため施工リスクが少ないのかと思われます。

大きな窓もカバー工法で交換

こちらのビルは最上階にテラスがあり、そこの窓だけ大きな掃き出し窓のためこちらは他の階と異なるサイズのサッシをカバー工法にて交換しました。

ガラスの性能を上げる

もう一点、オーナー様がこだわられたポイントがあります。それはガラスをペアガラスにする事で耐熱効果と防音効果を上げたいという御要望でした。

ペアガラスにする

通常のペアガラスには耐熱効果はあり、結露や保温効果には優れています。ですが、防音効果はあまりないため、防音効果も一定程度期待できるガラスを採用しました。

https://www.ykkap.co.jp/products/window/glass/different/

YKK AP株式会社

ビルの目の前が一定量の交通量があるため騒音はやはりあり、どれくらいの効果が期待できるか交換してみないとわからないというのが正直な所でした。

しかしながら、交換をしてみるとやはり効果はかなり高く、窓を閉めていると外の車の交通はほとんど気にならないくらい防音性の高い空間が作れました。

いくらかかるのか?

カバー工法のサッシ交換においてどれくらいの費用がかかるのか?相場感をお伝えします。サッシに入れるガラスの種類により金額は変わります。

通常のガラスであれば、例えば「ベランダの掃き出し窓」くらいのサイズであれば30万円前後かかると思っておいてください。

サッシはその物自体が高額なためどうしても金額が張ります。また、サイズが小さくなるかといって、その金額が半分になるわけでもなく、腰高の小さな窓でも20万円前後かかります。

では、実際に注文するとどれくらいの期間で納品されるのでしょうか?

少なくとも3週間程度かかる

カバー工法のサッシ自体は全てオーダーメイドになります。どこかの倉庫にあるサッシがぴったりサイズが合えばもっと早く納品されるのですがそうもいきません。

実際に既存のサッシをサッシ会社の担当者が細かく採寸をします。そこで採寸したデータを設計してサッシ会社に送り、サッシ会社の工場で手作業でサッシを作ります。

非常に地道な作業が必要なためどうしてもサッシ自体は高額になってしまいます。

サッシ自体を交換せずに、例えば防音だけを目的とした場合に出来る工事はないのか?そういった場合はインプラスというインナーサッシ(既存サッシの内側に取り付ける二重サッシ)があります。

https://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/

LIXIL

こちらは古いサッシを残したまま、窓枠に新たなサッシを設置する工法になります。そのため、古いサッシは残るため、新しいサッシ程の刷新感はありません。

ですが、防音、耐熱という効果は一定程度期待できる点と、コストがカバー工法のサッシ交換よりは低コストで済むというメリットがあります。