リノベーションの象徴
リノベーションと言えばカウンターキッチンというくらいにリノベーションの象徴のような工事で、絶対に譲れないご要望としてされるお客様も多くいます。
カウンターキッチンにも色々なタイプがあります。
キッチン自体の種類も多くありますが、どのような形のカウンターキッチンをイメージしているかで施工方法やメリットデメリットが変わってきます。
壁は全くいりませんか?
施工中の現場写真ですが、カウンターキッチンというと上のような写真のイメージではないでしょうか?障害物が何も無く開放的なキッチンです。
このタイプのカウンターキッチンはキッチン本体の天板ととカウンターが一体になっており、デザイン性に優れている品番のキッチンが多いです。
カウンターキッチンを設置するリビングダイニングキッチン(LDK)も広く感じます。
ただし、少しだけデメリットもあります。
油跳ねや水跳ね+コスト
正面に障害物がないため、キッチンコンロの向かいには強化ガラスのオイルパネルがあるものの、どうしても油が調理の後はカウンターキッチン向かい側まで跳ねる事があります。
同様にシンク正面に水を遮る障害物がないためカウンター側に水跳ねも多少生じてしまいます。
また、キッチン自体の金額も通常の壁付けのキッチンと比較して割高なケースが多く、壁付けキッチンと比較して3割程度高いケースが多いです。
壁+壁付けキッチン
このカウンターキッチンの課題を解決するためにリノベ施工会社は色々と知恵を絞りました。結果として下の写真のようなカウンターキッチンが最近では多くなりました。
こちらは油跳ねや水跳ねを防ぐためにコンロ向かいに壁を作り、シンク前にも浅い壁を建てています。こうすることで油跳ねと水跳ねを防ぐ事ができます。
もう一点メリットがあります。
壁付けタイプのキッチンを設置
壁を作る事で壁付けタイプのキッチンを設置できます。それにより独立タイプの対面型カウンターキッチンよりも低コストで施工できます。
解放感が無く間口が狭いのでは?と思われるかもしれませんが、シンク側の壁を天井まで開放する事で圧迫感は解消できます。
カウンターを付けないケース
また、対面型のキッチンにしたいけども部屋側にあまりスペースを取られたくないお客様はカウンターは作らずに料理等を仮置きできる程度のスペースを笠木という木枠で設置するケースもあります。
カウンター自体は壁付けキッチンを選択する場合はキッチンの天板とは別に新たに設置をします。上の写真のようにバーカウンターのようなカウンター天板を後付けで設置します。
なお、吊戸棚が必要な場合はシンク側の上部の壁を少し残して設置します。10年くらい前のタワーマンション等でよく使われている工法です。
吊戸棚はシンク側に壁を作る
少し開口が狭いため視界が狭く感じるかもしれませんが、実際に使うとそれほど圧迫感はありません。
特にこの写真の場合、キッチンの右側の壁も無いため出入りがしやすいため、そういった設計上の工夫で圧迫感を作らないようにする工夫は必要になるかもしれません。
給排水の位置変更が出来ない場合
カウンターキッチンにする場合は、給排水の位置変更が必要になります。
工事予算や工事方法の都合で、置床工事という室内全体の床を一段上げる工事が出来ない場合にはカウンターキッチンにする事が難しいケースがあります。
そういった場合に代案としてやり方は二つあります。
➀壁脇に給排水を通す
キッチンの側面の壁を少し厚みを持たせその壁中に給水と排水を通します。キッチン脇から給排水を入れ込む工事をして設置します。
ただし、この工法はキッチンの排水が取りづらいケースが多く施工する事が難しいケースが多いです。
➁キッチンだけ床高を上げる
この工法は給排水が通るキッチンだけ床高を上げる工法です。施工は比較的やりやすいのですが、デメリットとしては狭いリビングでこの工法を行うとキッチンが狭く感じられるデメリットがあります。
また、キッチンだけ一段上がるため、デザイン性を上げた内装の仕上げが求められます。
カウンターだけ作る
最後に給排水がどうしても移動できずにカウンターキッチンを諦めきれないお客様への秘策をご紹介します。こちらの写真のようにカウンターだけを単独で作るという工法です。
実際には調理中に背中を向けて調理をする事にはなりますが、料理を置くスペース等を取る事が出来る点と、リビングの雰囲気はカウンターキッチンと同じ雰囲気になります。
カウンターをきっちり作りこめば、ちょっとした飲食スペースを取るくらいのカウンターは作る事ができるため、カウンターでのコミュニケーションを期待しているお客様はこの工法でもご要望が満たせるかもしれません。