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第5回・ビルリノベ詳細解説・共有部工事

トイレ狭小空間の工夫

ビルリノベーションの詳細解説。今回は「プロジェクトY・共有部工事編」です。共有部は非常にスペースが限られていましたが、トイレに関する条件がありました。

それは、各階にトイレを設けて男女別に使用するという条件です。元々トイレがなかったスペースも2か所ありスペースの確保に苦労しました。

トイレを各階に設ける

上の写真のトイレは比較的余裕がある状態で設置できたケースです。こちらは元々がトイレだったスペースに設置したためあまり苦労はしませんでした。

手洗いを思い切って移動

こちらのケースは非常にタイトなスペースのため、タンクレストイレを採用し更に手洗いの設置スペースが無いためトイレ便器の上部に手洗いを設置しました。

もう1か所トイレが必要な箇所がありましたが、そこは残念ながら最小寸法以下のスペースしか取れず便器の設置が難しい状況でした。

そこで、オーナー様のアイデアで男性用の小便器だけを設置しました。男性が多い会社のため日常の用途としてはニーズを満たせるのではないかという仮説を立てました。

アイデアで解決する

階段の貼替えと防犯

階段はタキステップという滑り止め付きのシートで貼替えました。雨水にも強く滑らない仕様でとても強度が強いため、こういった素材に貼り替えるケースが最近は多いです。

滑り止め+強度

踊り場も含めて階段全面をタキステップで仕上げました。完成後に1点だけ問題があり、狭小ビルのため1階部分にエントランスがありません。

そのため自由に1階の階段から2階以上にアクセスできてしまうという防犯上の課題がありました。

防犯上の課題を解決したいのと、且つ低コストで解決したいとのご要望でしたので思案しました。

結果として、2階階段の踊り場に門扉を設置して、2階以上のテナント様だけに暗唱番号をお伝えして開閉できる鍵を設置しました。

こちらの鍵はキーレックスという鍵で電気を必要としない鍵のため、災害時でも安心というメリットがあります。

無電源暗証番号鍵

無線式インターフォン

また、1階の階段下から2階への連絡手段は無線式のインターフォンを設置しました。

来客の際にはインターフォンを鳴らしてもらい2階に鍵を開けに行くという流れになります。それがこのオペレーションの不便な所ですが、非常に低コストでできる仕様のため今回はコストを優先させました。