みんなが知らない床下のこと
マンションの床工事には2種類あります。ざっくり言うと、そのままフローリングを直にスラブ(コンクリート)に貼る工法と、置床という下地材を挟んでから貼る工法です。
前者を直貼り工法、後者を置床工法または二重床工法といいます。
イメージがわかないと思うので、置床工法の写真を下記にあげます。こんな感じです。
置き床工法には支持脚という土台を専用ボンドで固定していきます。
支持脚の脚には防振用のゴムがついているものもあり防音効果を高めます。
支持脚はクルクル回すと高さが変更できるため床スラブ(床のコンクリート)に凹凸がある場合は高さ調整をします。
壁際にはシステムネダというキワネダという端に詰め込む支持脚をいれます。
支持脚のメーカーは万協株式会社が主要メーカーの一つです。置床工法をやる場合は「バンキョウの〇〇を現場に入れて」というような話を大工さんとします。
支持脚は種類がたくさん
この支持脚には長さが多数あり、床下が深い構造のビル等でも使用できるように作られています。
出典:万協株式会社ホームページ
支持脚を設置し終えたらパーティクルボードという厚い板を敷きます。
更にコンパネという板材を敷いてその上からフローリングを貼ります。
ここまで支持脚→パーティクルボード→コンパネ→フローリングと多層にする事で防音効果を高ためます。
更に支持脚がある事でスラブの凹凸をフローリング材が拾う事がないため、床を水平に貼る事ができます。
また、もう一点仕上げ以外のメリットがあります。
床下に給排水を通す事ができる
置き床工法では床下にスペースがあるため、給水管や排水管を通せます。
そうすると何ができるか?
キッチンの配置を変更したり、追い焚き配管を通したり、エアコンの冷媒管を通す事ができます。
キッチン等の水道関係の設備配置が自由になるメリットがあります。
置き床工法のデメリットはコストと床高です。
スラブに直に防音タイプのフローリングを貼る方がコストは安いです。
置き床工法分の手間と材料がかからないからです。ざっくりですが、1平米あたり5,000円程度費用が下がります。
また、床の高さが上がるため、天井が低い物件では圧迫感を感じてしまう可能性があります。
それぞれのメリットデメリットを見て判断が必要です。
また、直貼り工法も必ずしも全てのマンションで出来るとは限りません。
マンションの防音基準が厳しい場合やスラブの凹凸が大きい場合は直貼り工法を諦めて置き床工法を選択する事もあります。
最近の施工事例をお見せします
最近の当社の置床工法の施工事例をお見せします。リノベーション工事においてはキッチンの配置を変更するお客様が多いため置床工法を選択されるお客様が多いです。
そのため、当社の施工事例も8割くらいが置床工法が占めています。