リノベーションの基本

見積書の見方を知っておこう

マイニングアーツ リノベ 見積書の見方
お客様

リノベーション工事の見積書を頂いたけど専門的な用語が多くて見方がわかりません。

わかりやすく教えて頂けますか?

カドウリツRENO

はい。確かに始めてみると見慣れない用語がたくさんありますよね。

ひとつずつ代表的な用語の説明からしていきましょう。

見積書の種類 概算見積と本見積

御見積書には最初のお打合せ段階でざっくりいくらくらいかをご提案する概算見積と、実際に物件にご訪問して調査をした後にご提出する本見積とに大きく分かれます。

概算見積に関してはマンションであれば㎡数や図面等の事前情報のみで現地を見ずにお出しするざっくりとした御見積りになります。これはまだまだこれから検討されるお客様に事前にどれくらいのご予算が必要なのかをお伝えする際にお作りする見積りです。

対して、本見積は実際にご自宅や購入予定の物件に訪問して細かく調査をして、お客様のご要望もお伺いした上で作成する御見積りになります。ある程度の経験のある工事会社であればマンションに関しては概算御見積りと本見積とでそれほど金額はズレずにご提案できるケースが多いです。

それは、工事の手間がだいたいマンションであればズレなく納まるケースが多いためです。また、使用希望の住宅設備(キッチンやユニットバス等)の仕様に関してはどのくらいのレベルのもを希望しているのかがわかれば概算御見積りに関してもスムーズにご提出することができます。

材料と施工費を分けるのが基本ルール

カドウリツRENO リノベ 見積書の見方

リノベの御見積書を見る際に注意頂きたいのは「材料費」と「施工費」がきちんと分かれて記載されているかどうかです。内装工事(壁紙のクロス等)に関しては安い材料を使用するため、施工費と合算して御見積りを作成することもあります。その場合は「材工」という表記がされています。

ただ、キッチン交換やユニットバス交換等単価の高い工事に関しては材料費と施工費を分けて記載するのが基本です。例えば下記のような記載になります。

・キッチン本体(LIXIL〇〇 ¥520,000)

・キッチン施工費(¥150,000)

このような高額な工事に関して材料費と施工費を合算して記載している場合は注意が必要です。それはそもそもその工事の経験が浅く「いくらの材料なのか?」「施工費はいくらかかるのか?」原価をはっきりと認識していないためそういった書き方になっているケースもあるからです。

原価がわからないという事はズサンな経営をしている証拠です。ズサンな経営をしている会社は工事もいい加減な可能性が高いです。

また、「材料費の金額を知られたくない」という意図もあって合算の見積りにしているケースもあります。仕入れる商品によってはネット検索もできてしまうため、商品代の金額がネットよりも高い・安いという指摘をされるのが面倒なので施工費と合算して記載する会社もあります。

ただし、その点に関しても工事会社としては工事に使用できる適切な品番の商品を探してその商品を発注して手配するという段取りも踏んでいます。そうであればネットの金額より多少高くなる点に関しては当然の事としてきっちり説明をしてくれた方がお客様もスッキリするのではないでしょうか?

「框?」「沓摺?」わからない用語はバンバン質問しよう

カドウリツRENO リノベ 見積書の見方

御見積書を見ていくとわからない用語がたくさん出てきます。昔からの建築用語をそのまま使用しているケースもよくあるため読み方からわからない漢字があったりしてネット検索して調べようにも困るなんて事もあります。

工事会社も意地悪でやっているわけではなく、日頃当たり前に使っている用語なので気づかずに記載してしまうケースが多々あります。また、その読めない材料や聞いた事のない材料がどういったモノなのか説明資料も無いとなおさら「そんなものにお金は払いたくないな」と思うのが当たり前の感覚だと思います。

もちろん、そうならないように御見積書や添付説明資料はわかりやすく充実したものにすべきですが、お客様の方も遠慮なく工事会社にバンバン質問をしましょう。そんなときにその質問に「面倒臭そうに答える」「質問への回答が遅い(もしかして工事会社の担当者も理解してないの??)」といった工事会社の癖も見えてくるものです。

不明な用語への質問に対してわかりやすく、実例等を用いて説明してくれる担当者は工事が始まってからも同じような対応をしてくれるはずです。ここはひとつテストをしてみるかくらいの気持ちで質問をしてみましょう。

バクっと「一式」表記に注意。でもやむを得ない事もある

材料費と施工費の合算の御見積りと同様に作業費に関しても数量表記をきちんとせずに、「一式」と記載している工事費目が多い会社は注意が必要です。なぜなら、バクゼンと「一式」と記載すればお客様から細かい質問がこないだろうと思って記載しているケースが多いからです。

大工工事や内装工事に関しては面積に関する表記が必ずあるのが通常です。例えば、床や壁に関する工事であれば「●●㎡」等の記載があります。また、電気工事に関しても照明の数量等の工事に必要な数量の記載が作業費の内訳にも記載されます。

ただし、数量で全てが記載できない工事項目もあります。例えば電気工事の先行の配線作業は「●●m配線」とまでは御見積りでは記載しません。それは工事が始まってから色々な配線のやりくりをしていって決まるため事前に見積で記載することは難しい工事だからです。

また、複数の作業をまとめて同じ日に実施するような工事も数量の記載は難しいものがあります。例えば、洗面台やトイレの設置、トイレットペーパーホルダーの設置等は同じ日にまとめて作業をしますので、1個あたりいくらという記載をせずに「器具付け一式」といった記載をする事があります。

そのため、工事費の「一式」表記に関しては用語と同じくよくわからないなと思ったら質問してしまうのがいいでしょう。親切な担当者であれば一式で記載されている工事がどのような内容の工事でどれくらい手間がかかるのかをキッチリ説明してくれるはずです。

諸経費の内訳はきっちり教えてもらおう

カドウリツRENO リノベ 見積書の見方

リフォーム工事の御見積りの最後に「諸経費」という欄があります。これは通常工事費の5%~10%程度の費用であることがほとんどです。「諸経費」と記載せずに工事費に「諸経費」を乗せている工事会社もあります。この「諸経費」とは大きく分けると現場工事中の「駐車場代」、現場を管理する施工管理監督の「施工管理費や設計費」であることがほとんです。

そこで、これらに関してはある程度内訳までを記載してもらう事をおススメます。例えば、現場敷地内に駐車場があるのであれば、駐車場代分の諸経費は少し安くしてもらう事ができます(ただし複数の職人さんが現場に入る日もあるのでゼロ円にはなりませんが)。

また、あまり手間のかからない工事に協力的なお客様であれば施工管理費に関しても値引きに応じてくれる工事会社もあります。ただし、避けた方がいいのは「諸経費」自体を認めないと工事会社に伝える事です。「諸経費」は単なる遊興経費と勘違いしているお客様も多く、そうではないという事を認識しておいた方がいいです。

駐車場代や施工管理費は必ず必要となります。記載しなければ消えてなくなる費用ではありません。そうすると当然ですが、どこかでその諸経費分の帳尻を合わせようとしますので、他の材料費や工事費にその費用を追加するという流れになるため、逆に適正な諸経費がいくらなのかチェックできなくなってしまうのです。

諸経費が悪いのではなく、諸経費の内訳の記載が無く「何の費用なのかわからない」のが悪いのです。