リノベーションの基本

先行電気配線工事について知ろう

カドウリツRENO リノベーション 電気配線工事

電気の配線を先にしておく

解体工事が先に終わると次に施工配管・先行電気配線工事に入ります。先行配管は水回りの配管工事を大工工事の前に行う作業です。先行電気配線工事は電気の配線工事を同じく大工工事の前に行う作業になります。

なぜ、先に先行配管や先行配線工事をするのか?それは床や壁が大工さんが立ち上げる工事を行った後では床下や壁裏を通す工事が出来なくなるからです。

たまに、段取りを間違えて大工さんが先走って工事をすると配管や配線を通せない箇所を解体してやり直し工事をする事があります。

そうならないように原則として、大工工事が始まる前に先行配管、先行配線は終わらせておきます。ただし、工程がタイトな場合は同じ日程で工事を進める事もあります。

分電盤から引き直す

フルスケルトンリノベーションであれば基本的に分電盤からスタートして全ての電気配線を引き直します。

フルスケルトン工事でない場合はコンセントやスイッチ本体だけ交換したり、部分的な電気配線のみ変更という計画であればこの先行配線の作業はあまり発生しません。

分電盤自体を交換するケースも多い

また、最終的には分電盤自体を新しいものにするケースも多いです。古い分電盤では回路数が足らないという実務的な問題もあり交換するケースと単に見た目が汚いので交換するケースもあります。

分電盤の交換自体は後工程の工事で行うケースが多いため、この先行配線工事では行われる事はあまりありません。

最初は電線をまとめておきます。

水回りの先行配管と違って電気の先行配線の場合は床下に配管を這わせておく事はあまりできません。

誤って大工さんが床下に配線を入れ込んだまま床を敷いてしまうと後で取り出さないといけなくなります。そのため最初の配線ではある程度の配線の束を天井にまとめてたれ下げておくケースが多くあります。

そのため、水道の配管と異なりパッと見てどこの配線なのかわかるような状況ではなく、素人目に見るとごちゃごちゃと電線が絡まっているだけに見える状況になります。

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そして、大工さんが床を敷いて、壁の木枠や軽鉄を立ち上げた段階で再度、電気配線に入ります。次の工程はスイッチやコンセントの位置に配線を落としていく作業です。

これを大工さんが壁に石膏ボードを貼る前にやっておかないと工事が手戻りになります。後からボードを外して配線を通す事になるためとても手間がかかります。

ここまでが主な先行電気配線作業です。そして、後工程でクロス(壁紙)を貼る前にボードの開口作業に再度入ります。その際にスイッチやコンセントの位置に穴を開けて電線を取り出しておきます。

そして、クロスが張り終わった段階で器具付けと呼ばれるスイッチ、コンセント、照明等の取付作業に入って完了になります。

アンペア数は増やせるの?

電気の先行配線の話題と併せてよくお客様から伺う質問に、電気のアンペア数が上げられるのか否かという質問があります。

単相2線か単相3線か

室内に引き込まれている電線が単相2線であれば30Aまでが上限です。それ以上であれば単相3線という電線でないとアンペアは上げられません。単相3線が引かれていれば30Aから50Aまで上げる等の工事は比較的簡単に可能です。見分け方はブレーカーに記載がありますので簡単です。

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厳密にいうと単相2線でもアンペアは上げられますが、工事が大変です。東京電力に申請をして、確認をしてもらってから、東京電力のOKが出れば室内に単相3線を引き込む工事をする流れになります。

どこから引き込むのか?近くの電柱からです。この時点で何だか大変な予感がしてこないでしょうか?ちなみに電柱が地中化している場合は道路を掘って地下から引き込みが必要です。

当社でもこの工事を何度かやった事がありますがとても手間がかかります。マンションであれば基本的には単相3線式が普及しているので大丈夫なケースが多いですが、築古のマンションであったり、古いビル等を取得してリノベを検討される際には単相2線のケースもありますので注意が必要です。

また、実際に単相3線でアンペア数を上げられる場合でも契約自体はリノベ工事会社ではやらない事が多く、実際にお住まいになるお客様でお手続きされる事も多いです。その場合には東京電力に専門の受付窓口がありますのでそちらにお問合せを頂くと対応してもらえます。

くらしTEPCO ご契約アンペアの変更