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第2回フルスケルトンリノベ詳細解説

リノベーション フルスケルトン

フルスケルトン解体とは?

フルスケルトンリノベーション詳細解説。「プロジェクトM・フルスケルトンリノベ」第2回。今回は解体工事と先行配管について説明します。

こちらの物件はリノベーション工事にあたり、フルスケルトン解体を実施しました。フルスケルトン解体とは室内の壁や天井、床、古い設備等を全て解体して撤去する工事です。

例えば下記のような物件の間仕切りの壁や床を全て解体撤去します。どのような状態になるかというと、2枚目の写真のようになります。

解体Berore After

こちらのようにほぼ全て室内に何もない状態になります。室内の床を縦断している配管が見えますが、これはガス管です。ガス管は解体時にガス漏れのリスクがあるため、ガス会社に後日解体撤去をしてもらいます。

室内の中で唯一残っている壁が外周の外壁(そとかべ)です。こちらも含めて解体するケースもありますが、施工上の手間が増えるだけなので外壁残しの解体にてスケルトン工事を進めるケースも多いです。

次に水回りの解体ですが、在来工法の浴室がついており周辺はブロックで覆われています。そのためこういったケースではブロック解体が必要になります。

解体Berore After

全ての水回りの配管や設備を撤去した写真はこちらになります。在来工法の浴室を仕切っていたブロックの壁も解体しました。

床に残っているのはガスの配管工事と一部の水道配管です。ガス配管はガス会社が撤去し、水道配管の残りは写真に写っている水道工事の職人がこのあと撤去します。

ここまで解体が進むと間取りを含めて一から見直す事ができます。ここから専有部内を全て新しく設計施工できるのがリノベーション工事の醍醐味です。

水道の配管・電気の配線も全て交換

解体後は給排水の先行配管工事と電気の先行配線工事を行います。解体工事後は室内に何も目印が無い状態です。そのため、原則として墨出しという作業を行います。

墨出しによりどの位置に壁や住宅設備が来るか、図面上に書き出している線を現場の室内に書き込む作業をします。この作業は大工さんや墨出し屋さんという専門職の方や施工管理の現場監督が行う事もあります。

墨出しが終われば、基本的な設備の配置もわかりますので給排水の先行配管工事を行います。

給排水の先行配管工事とは浴室やキッチン等の水を使う箇所の配管工事を先に行う作業を指します。なぜ先に作業を行う必要があるのかというと、大工さんの工事が終わってからだと作業の効率が落ちるためです。

壁や床が出来あがってしまってからでは配管を通す作業の障害物が多く作業効率が落ちます。そのため、大工工事が始まる前に作業を進めてしまいます。

先行で配管をされた配管は基本的には床下を通ります。この先行配管の作業時には浴室やキッチンの配管工事だけではなく、追い炊き配管やエアコンの冷媒管等の配管もここで先に配管を進めます。

上の写真の奥から少し床を上げている箇所の写真が写りこんでいますが、これが置床工事という床下の工事になります。この置床工事が配管も含めてこの後室内全体を覆い隠します。

また、電気配線工事もこのタイミングで進めます。電気配線はフルスケルトン工事の場合は分電盤から始まる全ての電気配線を交換します。

ただし、この時点では工事がまだ進んでいない状況のため室内には壁も天井もありません。そのため、電気配線は止める場所がなく天井にある程度まとめた状態でたれ下げた状態になります。

それは給水の配管も同様でして、支えるものがない場所の給水管は「ぐだっと」垂れた状態になります。下の写真を見ると片付いていないごちゃっとした配管や配線に見えますが、実はこれで指定位置に全て配管、配線をされている状態なのです。

支えるモノがないのでごちゃっとする

この支えるモノが無い状態は壁ができるまでこのままの状態が続きます。下の写真は床先行の工事で先にフローリングを張る所まで進めてから壁を立ち上げる工事の段取りで進めています。

この時点でもまだ、配線はだらりと天井から落ちています。給排水は大部分が床下に隠れているためほとんどめにつかなくなっていますが、青い給水管は支えるモノが無いためだらりと曲がったままです。

これは壁の枠が出来た段階で固定がされます。これは給排水だけではなく電気配線も同様に壁が出来た段階で固定をされます。

先行配線や配管は壁が出来たら固定

固定された配線や配管は大工工事が終わると所定箇所にキッチリ収まります。これは最初に行った墨出しの位置を基準に配管や配線を行っているからです。

ごちゃっとしていた配管や配線もキッチリ壁や床中に納まると計画通りの箇所に配置されるようになります。