リノベ関連記事

飲食店の空きテナント有効活用を考える

カドウリツRENO 飲食店の空きテナント

飲食需要復活を待つべきか

ビルオーナー様にとってコロナの飲食店不況によるテナント撤退後の対応をどうすべきか、一年以上経過したこのタイミングでどう手を打つべきか悩まれているケースも多いかと思います。

考え方として大きく二つあると考えています。

・このまま飲食業界が復興してテナントが戻るのを待つ

・ビル自体を業態転換して新しい需要を呼び込む

上記のいずれかを検討されているケースが多いかと思います。

飲食需要の回復を待つべきか

すかいらーくグループが5月14日に発表した2021年12月期第一四半期の決算発表の場で谷真会長兼社長が下記のコメントをしているように、ワクチン接種が20%程度進むと飲食店の来客が増えるというアメリカのデータを先行指標として示しています。

「最近の緊急事態宣言発令の前から、売上面では厳しい状況が続いている。2019年比では70%程度だ。アメリカでは、ワクチン接種率が20%近辺になると外食産業が回復傾向になっている。こういった数値を指標にしながら、2021年下期以降の戦略を考えたい。また、コロナ禍の影響が長期化することを見据え、通期売上は250億円下方修正した。営業利益は、コスト削減と時短協力金でカバーできると考え、50億円のまま据え置いている」
引用:流通ニュース

ただし、元々の需要が減り過ぎたため、また代替財としてUberEatsやテイクアウト等の中食ビジネスが発達してしまったため、需要が完全には戻らないのではないかという意見もあります。

確かに一定程度は需要が回復する可能性は当然高くありますが、同じ程度に戻るかと言われると微妙な所があります。例えば忘年会需要等は減少する可能性があります、接待による飲食等も減っていく可能性があります。

そのため手堅い結論として元から飲食店に人気のあったビルや1階に関してはそのままにしておく。そして空きテナントが出やすかったビルや2階以上の空中店舗に関しては業態転換を検討するというのも一つの手です。

ビルオーナーがご自分の持つビルの部屋や階の中でポートフォリオを組んでリスク分散されるのが良いかもしれません。また、業態転換をされるにあたってもなるべくコストのかからない方法を検討されるべきです。

スケルトンテナントを低コストで別業態にするには?

前テナントが原状回復工事でスケルトンにした物件で別業態を始めるのであれば、なるべく設備コストの少ない工事で済むオフィスへのテナント転換が工事費は安く抑える事ができます。

それほど広くない物件であれば単独で使用するオフィスでもいいかもしれませんが、ある程度の面積があるオフィスであればシェアオフィスとしての業態変更も検討できます。

特に1階や他の階にまだ飲食店のテナントが入っている場合は

シェアオフィスの入居者が飲食店を顧客として使ってシナジー効果も期待できます

広尾駅の近くにEAT PLAY WORKSというビルがありますが、1階にブルーボトルコーヒー、2階、3階が高級フードコート、4階以降はシェアオフィスという構成になっています。

シェアオフィスの入居者はフードのデリバリーを依頼できたり、飲食店側の店員と交流を持ったりとビル全体での交流を促す事が付加価値になっているようです。

あまり力んだサービスを企画するとコストも莫大にかかってしまいますので、EAT PLAY WORKSほどではないにしろもっとカジュアルにオフィス階と飲食店階が混在するにビルに業態変更するのも手です。

居ぬき店舗を低コストで別業態にするには?

飲食店の内装や設備を残したまま閉店されているテナントがある場合は解体工事の手間を考えるといきなり大きな投資をするには躊躇するかもしれません。

特に居抜きでこれまで借りてくれていた実績があればなおさらです。そういった場合は更に二つの方法を検討してはいかがでしょうか?

類似業態に完全に貸してしまう方法

期間限定で通常借りない層の顧客に貸す方法

類似業態に完全に貸してしまう方法とは、デリバリー専門に飲食店を展開しようとしている新規事業者に貸し出す事です。

Uber EATSの普及によりゴーストレストランというデリバリーのみに特化したレストラン業態が増えてきました。そうした業態であれば場所や立地はあまり重視せずにむしろ必要な設備が最初から十分にそろっている方が重要です。

内装が多少汚れていたままでもあまり重視されません。むしろ現時点でゴーストレストラン可というフレーズで貸し出しているテナントもあまりいないため狙い目な可能性があります。

これは最もコストを掛けずにテナントづける一つの手ですが、可能性が全くないわけではないのでリーシング会社に広告の出し方等を相談してみるといいかもしれません。

期間限定で通常借りない層の顧客に貸す方法とはレンタルキッチンとして貸し出す方法です。

これまで飲食店で行われていた企業の飲み会やイベント等はこれから居酒屋等では開きづらくなる可能性があります。また、家族連れでの飲食店の利用も避けるケースがあるかもしれません。

そういった、今日だけお店を借りて仲間や身内だけで楽しく過ごしたいという需要を狙った利用を想定しています。実際には少し内装をきれいにしたり、使いやすい厨房施設にする必要がありますが、完全な改装まではする必要がないため低コストな投資で済みます。

実際に借りてくれる人をどのように募集するのか?という疑問もあるかと思いますが、そこは時間貸し専門のスペースマーケットのようなサービスを利用する方法もあります。

そういったプラットフォームに登録して需要があるかを見てから、オリジナルのWebサイトを構築されたりする判断をされてもいいかもしれません。

最後に最近の当社の事例をご紹介します。こちらは飲食店が閉店された後のスケルトン状態のテナントでしたが、低コストな工事でテイクアウト専門のお魚の惣菜店を作りました。

オーナー様の投資ではなく、借主様の投資ですが、こちらは1階という比較的需要の強い立地ではありましたが、それでもかつてと同じく飲食店にするのはリスクが高いと判断されたのかと思います。

今後デリバリーサービス等も展開されていくのかもしれませんが、テイクアウトだけでも非常に近隣の評判は高くお客様でにぎわっています。

オーナー様が投資される場合にも、今後はこういった、レンタルキッチンにもゴーストレストランにもできるような内装や設備仕様にしておく方がリスク分散にはなるのかもしれません。