冷蔵庫置き場が狙い目
洗濯機置き場のない投資物件に洗濯機置き場を作りたい。
よくあるオーナー様の悩みですがいくつかやり方があります。
まず、洗濯機置き場に必要な要素は3つあります。
①スペース
➁給排水
③電気
スペースは当たり前ですが、狭すぎると洗濯機が置ません。洗濯機パンが置けるスペースが640mmです。
最小寸法で550mm程度の洗濯機パンもありますがあまり使いません。一般的な洗濯パンを置くとして上下左右に640mmのスペースが必要です。
給排水は洗濯機用の蛇口給水と洗濯パンの排水が必要になります。給水はキッチン等の給水から分岐させて壁裏を通すのが理想ですが、壁裏に配管を通せない場合は露出配管という壁表にを通す配管を行います。
排水に関してはここが洗濯機置き場一番の課題ですが、排水がうまく流れるように勾配(傾斜)が必要になります。
そのため、床下の排水管と接続できる場合は床に洗濯パンを設置しますが、キッチンの排水等の床上の排水と接続する場合は勾配が取れません。そのため一段洗濯パンの下をかさ上げする土台を作って洗濯パンを設置します。
投資物件の中にたまに上の写真のように洗濯パンだけ一段上がっている物件がありますが、それは勾配が理由です。
最後に必要なのは電源です。洗濯機を動かすための電源になります。これはどこかのコンセントから分岐させる必要がありますので、基本的には近くにコンセントがある壁がベストです。
こういった3つの要素が揃う場所というのは室内にはなかなかありませんが、一か所だけ都合のいい場所があります。それが冷蔵庫置き場です。
冷蔵庫置き場は冷蔵庫の電源が近くにある点と、キッチンからも近く給排水が取りやすいケースが多いです。そのためキッチンの脇に洗濯機置き場を新設するケースが多くあります。
また、あまり例はありませんが、脱衣所に洗面台があって洗濯機置き場がないケースも同様に施工はしやすいです。
どうにもならない場合の裏技
ただし、スペースがどうにも取れない物件もあります。そういう場合はあきらめざるを得ないのですが、いくつか裏技が当社が知る限り二つあります。
一つはビラハウジングが提供している「せんた君」という商品です。こちらは通常のミニキッチンのコンロ下に洗濯機置き場を配置します。
出典:株式会社ビラハウジングホームページ
洗濯機自体は専用の小型洗濯機を設置する必要がありますが、見た目はミニキッチンとそれほど変化はなくあまり違和感はありません。少しシンクの高さが高いかなくらいの感じです。
当社でも採用した事がありますが、設計も良くできていて使い勝手はいいです。ただし、一つやむを得ない欠点があるとすると洗濯機のサイズです。
少し小さ目の洗濯機のため、多くの洗濯物を洗濯するのには向いていませんが、毎日マメに洗濯をする方にはとてもいい商品です。
洗濯機の小ささを解決するのがもう一つの商品です。亀井製作所がランドリー ミニキッチンという商品を提供しています。こちらはある程度の大きさの洗濯機までが設置可能です。
出典:株式会社 亀井製作所ホームページ
この商品はまだ取り付けている現場を当社も見た事がないのですが、洗濯機自体はこの洗濯機置き場内のスペースに既製品の洗濯機を設置する仕様になっています。
この商品を試してみたいというお客様と現在、商談をしておりますので、今後、設置をしたらご報告させて頂きます。
こちらは欠点があるとすれば見た目の通り、少し天板の位置が高くなる点にあります。IHコンロも天板の上に置いて使用する形となるため、ほとんど調理をしない方には良いのかもしれません。
いずれにしても少し制約がありますが、少なくとも洗濯機置き場が無いという状況は避ける事ができます。