リノベーションの基本

解体工事について知ろう

カドウリツRENO リノベーション工事 解体工事

養生の仕上がりで品質がわかる

工事が始まるにあたり最初にやる工事は解体工事です。ですが、その前にマンションのエレベーター内や共有部の通路等の解体材の搬出に際して通るルートに養生をしていきます。

養生に関してはマンションの管理組合ごとにルールが決まっていますので、そのルールに従う事になります。養生自体は最初に工事に入る解体を行う職人が行うケースが多いです。ここで、養生がうまいか下手かで解体もうまいか下手か品質がわかります。

解体に上手いも下手もあるのか?あるんです。解体がうまい職人さんにやってもらうのと下手な職人さんにやってもらうのとでは後工程の工事のやりやすさが変わってきます。

下手な養生は放置させないようにしましょう

その点は後述するとして、もう一点注意頂きたいのは、下手な養生を放置しておく施工会社は施工管理体制に問題があるケースが多いので注意が必要です。

工事期間中にずっと目につくものですし、ただでさえ工事期間中は近隣にご迷惑をお掛けします。養生さえもきっちりできない会社ですとそれを目にする近隣の方も不安を感じます。

もう、工事が始まっているのでそこは引っ繰り返すわけにはいかないかと思いますが、なるべく最初に違和感を感じる部分は指摘しておいた方がいいです。

初日に養生に関して注意を受けると現場の現場監督も気が引き締まり、工事の進め方を見直す事もありますし、注意してもまったく動きが無さそうであれば早めに現場監督を交代する事もできます。

養生に関してはエレベーター内にはプラスチックべニアという段ボールのような柔らかさでプラスチックの素材の養生材を貼っていきます。エレベーター内の天井、床、壁、そして出入口の天井床壁脇を養生します。

天井に関しては必ずしも養生しないケースもあります。照明等が接触したりマンションの規約でそこまではやらなくていいとご指示を頂くケース等です。

工事期間中はマメに直します

通路に関してはブルーシートを敷く事が多いですが、滑らない素材のシートを用いる事もあります。また、通路脇の壁等の狭い場所は専用の緩衝材を貼って養生する事もあります。

ブルーシートを固定するテープは通常の緑色の養生テープですと粘着性が高く跡が残りやすいため弱粘性のピンクの養生テープを使うケースも増えました。

シートに関してもブルーシートではなく、色落ちが目立たない白いシートを貼るケースも増えています。養生に関しては一度張ったら終わりではなく、定期的に張り替えたり、張り直したりと工事期間中のマメなメンテナンスが必要になります。

養生のメンテナンスに関してはそのタイミングで入っている職人さんにお願いしたり、施工管理の担当社員がメンテナンスをする事もあります。

解体工事は猛者ばかり?

解体工事をやる人達は怖い人や力持ちの猛者ばかりのイメージかもしれません。ですが、実際に当社の解体職人は穏やかで優しい人達がほとんどです。

そして意外に思われるかもしれませんがかなり頭を使う考える仕事です。解体というと、テレビ番組の影響もあってバンバン騒音をたてて壊しまくるイメージがあるかもしれません。

ですが実際の現場では、壊すよりもバラすという表現が適切です。バラして分解していった方が早く作業が進むケースが多くまた安全です。バラす順番を間違えると例えば天井が落ちて来たりと危険な状況になることもあります。そのため解体する順番が重要になります。

ここで非常に頭を使います。特に現場のメンバーに指示を出す職長は解体の順番を適切に指示を出していく必要があります。

解体は頭が良くないとうまくいかない

順番を間違えると危険な事故が発生したり作業の手戻りが発生します。また、間仕切り残しという一部の天井や壁を残して工事を行う場合には大工さんが残しておいてほしい所、必ず解体してほしい所を事前に打ち合わせをして指示をします。

ここでも下手な解体職人が作業をすると壊し過ぎてしまったりするケースがあります。そうなると大工工事で余計な修復作業が加わる事になり工期の遅れの原因となってしまいます。

猛烈な音がする「ハツリ工事」

解体工事は騒音のイメージがあるかと思いますが、通常の解体工事であれば近隣住民の方が部屋にいられないほどの大きな音はそれほど出ません。

もちろん上下左右の部屋の方は気になる騒音ではありますが、なんとかガマンできるレベルです。ですが、「ハツリ工事」に関してはどうしても耐え難い騒音が発生します。

「ハツリ工事」とは浴室の床等でコンクリートで一部作られた箇所を解体する工事です。建物構造上には影響しない箇所で且つ工事上どうしても壊しておかないと新しい構造をそこに組むことができない場合にやむを得ず行います。

近隣の方に事前説明が必要

「ハツリ機」という機械を使って工事をします。たまに道路工事等で見かける地面を掘るあの機械です。ハツリ工事は猛烈な騒音を出します。施工をやっている職人は耳当てを設置して作業をするほど騒音がしますので、近隣住民の方はハツリ工事の間だけは大変なご迷惑をお掛けします。

ただし、1日中ハツリ工事をするわけではなく、だいたいが長くて2時間程度で終わります。そのため、ハツリ工事をする際には原則として近隣住民に作業の前にご挨拶に伺ってから作業をします。

そうしないとクレームになる事が多いからです。また近隣に赤ちゃんや在宅ワークの方がいらっしゃる場合はハツリ工事をやる作業日を事前にご相談させて頂くこともあります。

プラグ止めは大事な仕事

解体工事と並行して行わないといけないのは水道や電気回りの解体後のプラグ止めや絶縁作業です。

水道の給水を途中で止める作業が入りますので建物の水道元栓を締めるだけではなく、万が一誰かがあやまって元栓を開けてしまった時のために室内に残る給水栓の入り口にプラグを取り付けて止水を行います。

また、電気配線も同様で器具を外して配線を剥き出しにしておくと先端から感電をしますので、先端をビニールテープで巻きます。こういった作業は次に入る水道や電気の職人さんの安全確保と、残作業を行う解体職人の安全確保の面からも重要です。

また、室内の中でも解体をしてはいけないもの、傷をつけてはいけないものがあるので、そういったものは共有部の養生と併せて先に養生をしておきます。

代表的なものはエントランスを開ける集合タイプのインターホンです。集合タイプのインターホンは原則交換ができませんので、壊さないように養生を厳密にしておいて、解体時もあまり触れないようにケーブルをまとめて壁際にテープ巻きで固定するなどして逃がしておきます。

解体産業廃棄物はどこへ?

解体工事が終わったら、並行してまたは作業が終わってから解体材の搬出を行います。搬出された解体材はどこに行くのでしょうか?基本的には解体を行った職人がそのまま産廃処分場に持って行きます。

原則として特別な許可を得ていない限り、そのまま解体した廃材をトラックに積んだままにして持ち帰る事はしません。

そのまま産廃の処分場に持って行くのが基本となります。産廃場では計量と仕分け作業を行ってリサイクルや処分に回される資材とに分けられそれぞれが適切な処分をされていきます。

この時に「誰が何をどれくらい?」処分したかを表記する書類があります。それが「マニフェスト」という書類です。これは産廃処分に産廃を持参する許可を持つ「産廃収集運搬業者」の許可を持つ会社であれば必ず保管をしておきます。

万が一紛失してしまっても処分場で控えを発行していますので、必ずどこかには書類が残ります。そのため不法投棄等が疑われる場合に真っ先にこのマニフェストの所在を確認されます。

そういった処分の公的なプロセスが整っているため、大昔のような不法投棄がされるケースはほとんど最近ではありません。

ですが、こういった産廃場に持って行くプロセスで適切に処分をされているのだという事を事前に知っておくことは安心を得るためにも必要な事だと思います。

すっかりきれいに解体されたらいよいよ室内を作っていく工事が始まります。