リノベには2種類しかありません。
「フルスケ」か
「フルスケじゃない」かです。
リノベーション工事には我々リフォーム会社では大きく二つに分けます。「フルスケ」か「フルスケじゃない」か。
フルスケとはフルスケルトンの略で、室内の全ての壁や天井、床、給排水の配管までを解体撤去してから工事をすることを言います。
それに対して、壁や床を部分的に残して工事をする「フルスケじゃない」方の工事を「間仕切り残し」と言います。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
フルスケのメリットはずばり間取りが自由に配置できる点です。極端な話、給排水の配置にもよりますが、浴室やトイレの場所まで変更する事もできます。
また、完成した物件を見ると素人目にはフルスケで工事をしたのか、間仕切り残しで工事をしたのか見分けがつかない事もよくあります。
ですが、間仕切り残しで工事する場合にはどうしても古い壁や床が残る事で仕上がりが悪くなるケースがあります。
例えば、床鳴りがしたり、壁に凹凸が残ったままになったりするケースがあります。リフォームのクレームで多いのがこの間仕切り残しで残した所が完全に治せずに発生するケースです。
それならばリノベーションは全てフルスケでやるべきなのか?
確かにそうかもしれませんが、フルスケはコストが間仕切り残しよりも高くなります。特に解体工事と大工工事にかかる手間が増えます。
ただ、工事費全体が2倍も3倍も違うかと言えばそうでもありません。ざっくり20%くらい高くなります。
間仕切り残しにするなら580万円
フルスケルトン工事なら690万円
え?それしか変わらないの?という印象の方もいるかもしれません。
間仕切り残しは実は工事の手間がフルスケよりもかかる場所が多々あります。
例えば古い壁や床を残したまま電気や給排水の配線や配管工事をやらなければなりません。フルスケなら1時間で終わる作業が半日かかるなんて事もあります。
大工工事も同様で壁を新しく作るにしても途中まで残された所からツギハギして作るよりも、新しく何もない所から作る方が楽です。
そのため、間仕切り残しは意外に高いんだね?仕上がり見たら古い所が気になるな。なんてご意見を頂く事もよくあります。
どちらが良いかは建物の築年数にもよって変わってきます。築年数が20年以内の物件であれば間仕切り残しの工事でも比較的工事がしやすく、仕上がりも良くなります。
予算、間取り、築年数、仕上がりの希望等の複数の要件から、
「フルスケ」か
「フルスケじゃない」
かを決める方が良いでしょう。