マンションの売り方教室

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一般のお客様

自宅マンションを売却してから、次のマンションを購入してリノベしたいのですがどのような手順で売却を進めればいいのでしょうか?

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ご自宅マンションの売却サポートも実施しています。売却に関しては大きく二つの方法があります。

一つは不動産会社に依頼して「不動産会社間」で売却情報を共有してもらい一般の買主さんを探してもらう方法で「仲介」による売却という方法です。

もう一つは不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」という売却方法です。

仲介と買取のどちらの方法もメリット、デメリットがありますが、一番大事なのは「時間」の視点かもしれません。

ざっくり売却の流れ

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売却の流れをざっくり絵でまとめています。思いの他、たくさんの手順があります。しかし、お客様が対応するのは必要な書類を用意頂くくらいで、他は不動産会社が対応しますので安心してください。

自宅マンションを売るにはどれくらいの期間がかかるの?

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仲介であれば一般的には「3か月~6か月」程度は売却まで時間がかかると思っておいた方がいいです。これから説明する準備する書類や様々な不動産会社が連れてきたお客様に内見をして頂いてから決まります。

そのため、どんなにスムーズに行っても3か月はかかります。そのためじっくりと希望の金額に近い金額で「高く売りたい」というお客様は「仲介で売る」ことをおススメします。

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買取であれば一般的には「1か月~3か月」程度で売却まで進める事ができます。

ただし、買い取るのは不動産会社になりますので、いわゆる「業者価格」となるため。ここでは売却金額よりも「いつまでに売りたい」という期限が明確にあるお客様は「買取で売る」ことをおススメします。

仲介で売るには時間がかかる。買取で売ると売却金額が下がる。

「仲介売却」VS「買取売却」のメリットデメリット

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仲介売却のメリットは複数の不動産会社経由で一般の購入希望者の方を探してもらえる点にあります。多くの一般の購入希望者さんの中にはお客様がご希望される金額で購入したいと言ってくれる人が見つかる可能性があります。

「複数の不動産会社経由」でというのがどういった仕組みか説明します。例えばお客様が近所の不動産会社「桃太郎不動産」にご自宅の売却を相談します。そうすると「桃太郎不動産」は不動産会社間の共通データベースシステムである「レインズ」にお客様の物件を掲載します。

そうすると、その情報を見た隣町の「鬼ヶ島不動産」を訪れた一般のお客様が興味を持ち内見をしたいと申し込みます。同じタイミングで隣の県の「きび団子不動産」にも同じ情報を見たお客様から内見希望が入ります。

このように不動産会社間で「同じ情報を共有」して多くの人に物件を見てもらえるチャンスを得る事ができます。実際に売れた場合は買主を連れてきた不動産会社は買主から手数料をもらい(片手といいます)。お客様は依頼先の不動産会社に手数料を払います(こちらも片手といいます。)

このシステムはとてもよくできていて便利ですが、デメリットが一つあります。それは「いつになったら売れるか運次第」という点です。

当然、すぐに希望の金額で買って頂けるお客様が現れる可能性もゼロではありませんが、まったく売れずに置いてけぼりになる物件も世の中には多数あります。そのため、急いで売りたいといったケースでは仲介による売却はあまりお勧めしません。

ただし、時間をかけてじっくりと希望の金額で売りたいお客様には複数の不動産会社経由で仲介希望の買主様を探してきてくれるという点でとても良い方法といえます。

仲介は時間をかけて希望の金額で売る場合にはとても良い方法

また、ここで一つお気づきになる点があるかと思います。それは不動産会社間で「同じ情報を共有」しているという点です。もし、そうであればどこの不動産会社に売却を依頼しても「同じ情報を共有」しているのであれば物件を売る能力自体にはそれほど差が無いということになります。

確かにその考えは一理あります。しかし、積極的に他の不動産会社に物件を紹介してくれる不動産会社であるか、または仲介での反響があまりよくない時に価格の見直しや買取での売却に相談に乗ってくれるか否か等、同じシステムを使っていても不動産会社間ではだいぶ対応に差があります。また、当然ですが、それが売却の結果にも反映されてきます。そのため、どこに売却を依頼するかはしっかりと考えましょう。

また、自らが買主も見つけてきて売主・買主の双方から仲介手数料をもらう両手取引を狙ってくる不動産会社もいます。そうなるとお客様にとっては「買主となる一般のお客様が依頼した不動産会社に訪れる人だけ」に限定されてしまいます。

そうなると、探してもらう選択肢が大幅に狭まり、売却までに時間もかかってしまいますので、どのような取引形態で仲介を依頼するのかは事前にしっかり確認をしましょう。

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買取売却のメリットは「売却が決まるのが早い」「売却後の面倒が無い」という点にあります。デメリットは「売却金額が10%~20%前後安くなる」という点にあります。

そもそも「誰がマンションを買い取るのか?」「なぜ買い取るのか?」「なぜ安くなってしまうのか?」という視点からご説明します。

マンションを買い取るのは不動産会社です。不動産会社は買い取ったマンションをリノベーションして高く売ります。それにより収益を得ている不動産会社を買取再販業者と言います。この買取再販業者が一般の方から不動産を購入することを買い取りと言います。

買取再販業者は購入した後にリノベーションをしなければなりません。そのため、そのリノベーションの費用も見込んで買取の査定をします。そのため一般の相場よりも少し安い価格で購入を検討するケースが多くなります。

買取はリノベーション工事費用を考慮して買取金額を査定する

ですが、買取再販業者がこの事業で大儲けできているかというとそうではありません。この点がよく誤解があるので詳しく説明します。買取再販業者の中では一般的に相場となる、マンションの売却時の価格帯やリノベーション工事の価格帯がある程度事前に決まっています。

その事前に決まっている計画を収支計画と言います。収支計画上、古いマンションを購入してリノベーションして高く売却して、計画通りに売れたとしても10%くらいの粗利しか取れていないケースが多いのです。

そのため、少しでも予定通りの金額で売れないとすぐに赤字になってしまうため、買取の物件査定はどうしてもシビアになってしまうのです。

ですが、彼ら買取再販業者に物件を買ってもらうメリットも多数あります。例えば、

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残置物が多く残っていたり、設備が古いままの物件でも処分費を負担してくれて、室内の設備に故障があってもノークレームで買い取ってくれるという点があります。

一般的に買い取った後の物件はリノベーション工事を必ずします。そのため現時点でどういった状況であっても彼らプロはリノベーション後の状況を想定して買い付けをしていきます。その点が一般のお客様とは違う点です。

例えば築古の団地物件であったり、相続やご家族のご事情で残置物が室内に大量にあるケース等で一般の方には売りづらいなという物件は買取での売却がおすすめです。

また、「早く売りたい」というケースでも買取がおすすめです。買取再販を行う不動産会社は一定の融資枠を持っている会社がほとんどです。そのため購入をするにあたり購入できないというリスクが少ないため購入の意思決定が通ればすぐに契約をしてくれます。

古い・残置物が多い・早く売りたい場合は買取がおススメ!

また、買取再販を行う不動産会社の営業マンの仕事は「不動産を買う事です」彼らは一般の営業マンと違って「買うのが仕事」なのです。そのため、必死になって毎月の買い付けノルマをこなしています。そのため、彼らの予算に合う物件であればすぐに売却が可能です。

それでも、契約から決済までは最短でも1か月前後はかかりますので、その点はあらかじめ理解しておきましょう。

また、最大のデメリットである「安く売る事になってしまう」という点に関しても、必ずしもそうでもないケースもある事が多いです。例えば半年近く仲介に出していて全く一般のお客様には売れずに買取再販業者に買い取ってもらうケースもよくあります。

また、仲介で売ったはいいが瑕疵担保責任が一般のお客様相手では付いてきます。売却後に何か問題があった場合に修理が必要になるケースもあります。その点買取の場合は不動産会社に売却する事になるため、瑕疵担保責任は免責されます。

うちのマンションいくら?ちょいとネットで調べてみよう!

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不動産仲介と買取とでは査定の方法が少し異なります。不動産仲介の場合は依頼先の不動産会社に査定を依頼します。最近は一括査定サイトで複数の不動産会社にまとめて査定を依頼する事もできます。

東京23区内や東京近郊のマンションの場合は過去の販売事例が多くあるため、過去の販売事例のデータを参考にご自宅のマンションの相場を調べる事もできます。

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不動産買取の場合は、買取先の不動産会社が実際に過去の販売事例も参考にしつつ、現状の物件の状態を見てどれくらいリノベーション費用がかかるかを積算して買取価格を出します。実際に買取をした後にリノベーションをして再販するためリノベーションにどれくらい必要か、その物件がどれくらい痛みがあるかが判断の分かれ目になります。

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仲介を依頼する場合に一括査定サイトを使用しての査定も良いやり方ですが、大きなデメリットとして下記のような点があります。

①しつこい営業活動をされてしまうケースがある

➁仲介の場合相場より高い査定を意図的に出してくるケースがある

最近では一括査定サイトのサービス運営側の個人情報管理が厳しくなってきているため、①のしつこい営業をされるケースは減ってきているようです。

しかし、➁の相場よりも高い査定を意図的に出してくるケースはかなりあります。なぜかというと「高く売れるのでは?」と期待させておいて仲介契約(媒介契約)に持ち込めれば時間の経過とともに売れなければ査定を下げる交渉をすればいいと思っているからです。

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高すぎる査定を出してくる不動産会社は要注意!

兎にも角にも仲介契約(媒介契約)さえ結んでしまえば、売れた後には手数料が入るから売主様にアプローチができるように「高く査定をする」というケースが多発しています。

これらを避けるためには冷静な判断が必要になります。冷静な判断をするには「相場を知る」という点にあります。

この点、当社が今回売却のご相談をお受けするお客様は「東京23区内または東京近郊のマンション売却のお客様」に限定しています。そこがポイントになります。「東京23区内または東京近郊のマンション」であれば過去の販売事例が多くあるため売却の相場はだいたい予測することができます。

例えばネットでもマンション価格のシミュレーションサイトや過去の販売事例のデータをまとめたサイトがあります。そういったサイトで事前に自宅マンションがいくらくらいで売れそうか目途を付けておくと良いでしょう。

おススメの中古マンション相場検索サイト

「センチュリー21 マンション自動査定」

https://www.century21.jp/sell/jidousatei

レファレンス形式でご自宅マンションやご自宅近くのマンションの取引事例が掲載されています。近隣住居の相場幅もわかるのでとても分かりやすいサイトです。

「中古住宅HOME4Uの相場価格検索」

https://www.home4u.jp/buy/search/sbTop.html

NTT系列の不動産情報サイトHOME4Uの相場価格検索サイトです。こちらは近隣マンションの販売時の価格を検索して調べる事ができます。

土地情報総合システム

https://www.land.mlit.go.jp/webland/

こちらは国土交通省が実際にマンションを売却した方にアンケートを取ったデータをまとめたサイトです。こちらの特徴は実際に「売れた価格」の近隣相場を調べる事が出来ます。

あまり期待にそぐわない話かもしれませんが、東京23区、東京近郊のマンションに関してはビルや戸建てのように急激に相場が上下動する事はあまりありません。そのため、ほとんどのケースが過去の事例とそれほど変わらない金額で売れていきます。

売主様が自分としてはこれくらいで売りたいと思っていても過去の事例を見ると思ったよりも安くしか売れていないケースも見られると思います。そういった事前情報があれば例えば売るのはもう少し待とうとか、ここまで安くなるのであれば買取で早く売ってしまおうとかいくつか違った戦略を検討する事もできるかと思います。

Step1 現時点の残債を確認して日程と希望金額を決めよう

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現時点の残債は必ず確認しておきましょう。もし、残債が残る形で売却をする場合は別途残債分の現金を用意しないとご自宅のマンションの抵当権を外すことができません。その場合は3つ選択肢があります。

もしも、「 売却金額 < ローン残債 」になってしまいそうなら。

売却後に住宅ローンの残債が残ってしまう場合の選択肢。

①売却後も残る残債を現金で用意する

➁金融機関と相談して任意売却にする

③買い替えローンを利用する

売却後にに残債が残る場合は現金で残債額をご用意して金融機関に返済をする。あるいは、金融機関に相談して任意売却という競売で差し押さえが発生する前に実勢価格で売却を実施して残債は引き続き金融機関に返済を継続するという方法もあります。

また、次に購入される物件が決まっている場合は「買い替えローンを組む」という選択肢もあります。次に購入される物件のローンと残債をセットにするローン商品です。ただし、これは審査が厳しく、収入の安定的な増加等の事前条件がいくつかあります。

このように、実勢の売却相場をある程度調べてまずは「残債が残らずに売れそうか?」をリサーチしておきましょう。まだまだ、ローンが残っている、あるいは周辺環境やご自宅の状況から買取で多少安く売らなければならない場合は残債が残る可能性があります。そうすると実際に売却の話が進んでも途中で頓挫してしまうケースもあります。

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売却をするにあたって、いつまでに売却をして、いくらくらいで売るかを決めましょう。そこがある程度決まっていないと実際に予定通りに売れなかった場合や、値下げ交渉が買主様から入った際に迷う事になります。

売却に際して何が一番大事かをまず決めておきましょう。

例えば、これから購入する物件が決まっていてその決済までには売却したいとか、売却するには急がないけど大切に住んできた家だから高く売りたいとか。それぞれのご事情を踏まえてあらかじめ「これだけは外せないな」というポイントを決めておきましょう。

Step2 必要な書類を探して準備

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不動産売却に置いて必要となる書類を準備しておきましょう。もし紛失していて無い場合はとても再発行に時間のかかる書類もあります。また、特に権利書が無いと実際に仲介や買取の契約にも進めないケースも多いため最初に必要な書類を一通り確認頂く事をおススメします。

必要となる物件に関する書類はこちら!
  • 権利書(登記識別情報)
  • 固定資産税通知書 
  • 登記簿謄本もしくは登記事項証明書 
  • 購入時の売買契約書 
  • 購入時の重要事項説明書
  • マンションの図面や設備の仕様書・管理規約・修繕関係書類
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権利書・固定資産税通知書等は再発行が難しい書類も含まれます。もし、紛失している場合は所定の手続きが別で必要になりますので、いずれにしても早めに必要な書類の有無だけでも確認しておきましょう。個人に関する書類は区役所や銀行に問い合わせれば比較的すぐに取り寄せられる書類のためそれほど用意するのに苦労は無いかと思います。

必要となる個人に関する書類はこちら!
  • 身分証明書(免許証等)
  • 印鑑登録証明書および実印 
  • 住民票
  • ローン残高証明書(金融機関発行)

Step3 不動産会社に査定を依頼する

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不動産会社に物件の査定を依頼しましょう。最初の1社目が自分の思っていた査定金額と違うのであれば、別の会社からも査定を取りましょう。査定に際してはいきなり自宅に訪問されて細かい査定の相手が面倒だなという場合は、一括査定サイトを利用するのも良いかもしれません。しかし、一括査定サイトは先述の通りデメリットもありますのでその点も考慮して決めましょう。

一括査定を使うか、個別に不動産会社に声をかけるか。

➀全く相場がわからない場合は一括査定サイトに申し込んでみるのもあり

➁ある程度の相場がわかっていれば取引しやすそうな不動産会社に声をかける

③買取も検討したい、売却後の購入も検討するのであれば両方相談できる会社が便利

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自宅マンションの相場が全然わからないなという場合は一括査定サイトで試しに複数社の査定をもらうのもありです。ただし、高めの査定を伝えてくる会社もあるため内容は精査しましょう。

ある程度の相場がわかるのであれば、過去の取引があったり、事前にネットで調べてたり、地元でも有名であったりといった、取引しやすい不動産会社に依頼をしましょう。

最後に仲介の査定も検討したい、買取も検討したい、できれば売却した後に新しい物件を買ってリノベもしたいといった、「住み替えに伴う一連のイベント」が複数ある場合はそういったサービスを一括してワンストップで出来る会社に依頼しましょう。

当社は最後のワンストップでのサービスを提供しています。

仲介と買取両方を同時に検討することはできないのか?

仲介と買取の両方査定可能な不動産会社もあります。

仲介と買取の両方を対応する不動産会社の場合、査定を依頼した不動産会社自体が中古マンションの買取をする場合と、その不動産会社のつながりのある不動産会社に買い取ってもらうケースに別れます。

大手の不動産会社の場合は、これまで取引のある買取を実施する不動産会社に物件を紹介して買取をしてもらうケースが多いです。しかし、大手だからといって無限に取引先があるわけでもなく、実際には営業所の近くで過去の取引実績がある地元の不動産会社や大手の買取再販業者に物件を紹介しているケースが多いです。

そのため、高く買い取ってもらうのであれば、理想は東京23区内のほぼ全ての不動産会社にアプローチをしてくれる会社に買取を相談するといいかもしれません。例えば、当社の場合は、

なるべく高値で買取をしてもらうための取り組み

➀過去に買取再販のリノベーション工事をした取引先への紹介

➁東京23区内全不動産会社にFAXを送付

③買取での相談可である事を表記してREINSに掲載

こういった活動をして、なるべく広い範囲の不動産会社から買取の査定をもらう事をしています。これは正直手間がかかって面倒なのですのが、やはり手間をかけた分、多くの買い手の不動産会社から声がかかるというメリットはあります。

Step4 仲介の場合:取引態様?に注意して媒介契約を交わす

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片手取引・両手取引ってなに??

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不動産会社に仲介を依頼すると「片手取引」「両手取引」という言葉をよく聞きます。これは両手取引から説明した方がわかりやすいです。

両手取引とは例えば不動産会社である「いちご不動産」が売主であるお客様の「佐藤さん」と買主であるお客様の「田中さん」の双方を見つけてきて契約をしてもらう事をいいます。

この場合、「いちご不動産」は佐藤さんからは売主としての仲介手数料➀、田中さんからは買主としての仲介手数料➁、をそれぞれもらいます。この場合、いちご不動産は➀+➁で両手の仲介手数料が発生すると言います。

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片手取引の場合は「いちご不動産」が売主の「佐藤さん」を見つけてきますが、買主はいちご不動産が共有データベース(レインズ)に掲載をしていた情報を見た「りんご不動産」が見つけてきた「鈴木さん」である場合を言います。

この場合、「いちご不動産」は売主の佐藤さんから仲介手数料をもらうだけで、鈴木さんからは仲介手数料をもらいません。鈴木さんは「りんご不動産」に買主としての仲介手数料を払います。ここでは両手取引の場合の半分の手数料しからもらえない事になります。

両手取引の何が問題なの??

1社の不動産会社で買主も売主も両方を探そうとすると、例えば他の会社から買主希望のお客様が来ても「交渉中」と言ったり、色々と言い訳をして物件を紹介しようとしない行為をする事があります。これを「囲い込み」と言い違法行為になります。

「囲い込み」をされるとお客様の物件を買ってくれる人が既に見つかっているのに、紹介をせずにいつまでも買主が見つからないという損害を被ることになります。

ですが、実態として、「囲い込み」は禁止されていても両手取引自体は禁止されておらず、たまたま売主と買主が両方1社で見つかる事もあるため摘発は困難なのです。そのため、不動産会社に相談する際に軽く「両手取引はしないですよね?」と探りを入れてみるといいかもしれません。

当社では売主様の利益を守るため「片手取引のみ」での売却サポートをしています。

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専任か専任じゃないか??

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不動産会社に仲介を依頼する契約を媒介契約(ばいかいけいやく)といいます。媒介契約には3種類あります。ですが、大きく分けると2種類です。

簡単にいうと1社の不動産会社とだけマンションを売るための仲介契約を結ぶ「専任媒介契約」と他の不動産会社にもマンションを売るための仲介契約を結ぶ「一般媒介契約」とがあります。

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少しややこしいので読み飛ばして頂いても構いませんが、専任媒介契約には「専属専任媒介契約」というのもあります。これはお客様が例えば知り合いで購入したというお客様を見つけても来てもご契約が出来ず、不動産会社が探してきたお客さんとしか契約できないという内容です。

誤解されがちなのは、専任媒介契約や専属専任媒介契約は両手取引とは違います。あくまで仲介は行いますので、不動産会社間で共有されるデータベース(レインズ)にはお客様の物件情報は掲載されます。

しかし、そのレインズに掲載していいのが1社だけというのが専任媒介契約となります。その情報を見て複数の買主側の不動産会社から問い合わせが来ますので、専任媒介契約であれば、1社に買主側の購入希望者の情報が集中する事になります。

専任媒介契約より一般媒介契約の方がいいの??

専任媒介契約の場合、1社の不動産会社としか契約しないためデメリットが大きいように感じるかもしれません。しかし、実際に売却に至る期間は一般媒介契約よりも専任媒介契約の方が短い傾向になります。

それはなぜか?

やはり売主であるお客様からの「プレッシャー」が大きいかと思います。1社にしか販売活動を依頼していないというのは相互にわかっているわけですから、仲介を依頼される側としては言い訳はできません。

そのため、買主希望の不動産会社からの問い合わせ対応や、物件を紹介するための活動に力を尽くす傾向にあります。当社も売主様には専任でのご契約をお願いしています。やはりその方が私達がやらなければならないという使命感が大きく働くからです。

Step4 買取の場合:買取の場合ってどういう流れになるの?

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買取はプロが判断するので買うか買わないのか判断が早い!

買取の場合は月末に物件が売れる事が多いです。なぜか?買取再販を行う不動産会社(買取再販業者)の営業マンはノルマがあるので、月末に物件を買う事が多いからです。

そして、売主側の不動産会社の営業マンも同じでノルマがあるので月末に早く買ってくれる買取再販を行う不動産会社に物件の購入を相談する事が多いのです。

【よくある月末の買取再販業者との取引】

29日(金曜日)物件を買取再販業者に電話やメールで紹介

30日(土曜日)買取再販業者が物件の内見を実施
   同日に買い付け申し込みを実施!!!

31日(日曜日)買取再販業者が売主様と同席して売買契約を実施

最短で、上記のようなパターンで売却契約がまとまるケースがよくあります。

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買取の売却の場合は不動産会社同士でのやり取りになるため、購入までのスピードが非常に速いです。買取をする不動産会社は独自にデータベースを持っていたり、過去の販売事例データを調査するスキルをもっているため、「買い取るならいくらか?」査定金額を算定するスピードが非常に速いのです。

逆に、自分達がそこに住むわけではないので、予算に合わない物件であればいくら良い物件であってももう少し無理をして高く買ってしまおうといった判断はあまりしません。そこが一般のお客様に売るのと少し違う点です。

Step5 仲介の販売活動ってどんなことをするの?

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ブッカク対応が一番最初!

仲介の場合は不動産会社共通データベース(レインズ)を閲覧してくれている他の不動産会社からの問い合わせ対応が最初の業務となります。

基本的には電話での問い合わせが入ります。

【買主側の不動産会社とのやり取り】

買主側不動産会社

御社がレインズに掲載しているリンゴマンションはまだ販売中でしょうか?

カドウリツRENO

はい。まだ販売中です。お問合せが大変多いためお早目にご検討下さい。

買主側不動産会社

当社にご来店のお客様が興味をお持ちなので資料を送ってもらえますか?

カドウリツRENO

はい。すぐにメールをお送りします。ご内見をご希望の場合は売主様は土曜日は御在宅中ですので、最短であれば明日ご案内可能です。

買主側不動産会社

わかりました。すぐにお客様と相談しますね。

上記のような物件がまだ販売中であるか否かの確認の電話を「物件確認」と言います。不動産会社では略して「ブッカク」と言います。

この「ブッカク」にきちんと対応する事が最初の一歩です。また、査定金額が適正であればこのブッカクの問い合わせ件数も多く入ります。

安易な指値には応じない!

ブッカクが数件入ると内見の予約が入ります。御在宅の中のご家庭であればお邪魔にならない時間を調整して内見をさせて頂きます。

何回か内見が続くと「購入したいけどあと100万円安ければ」といった価格交渉前提でのお申込み相談が来ることがあります。

その価格交渉を「指値(さしね)が入る」と言います。

ここで安易に不動産会社側の判断で指値の回答はできませんので、当然、売主様に相談をします。ここでその指値が適正なのか、否かをアドバイスできる力量が必要になります。

極端な話、不動産会社は売れてしまえば多少値下げをされても手数料が入ります。しかし、売主様にとっては大きな金額の値下げとなってしまう事も多いのです。

ただし、なかなかブッカクも内見も無い物件であれば、ここでこの指値を受けて売った方がいいですよというアドバイスをする事もあります。

ブッカクや内見を経て、申し込みを受けるとようやく契約に入ります。このタイミングに入る段階で不足資料や契約書類の準備に入っても間に合わなくなります。

そのため、仲介をいらされている不動産会社は特に専任での契約であれば事前に契約に関する書類は一通り用意をしておきます。そうしないと早く契約に進める事が出来ずに契約が流れてしまうなんていう最悪の事態が発生してしまうからです。

仲介で大事なのは日々のブッカク対応と契約が決まりそうな時にに慌てないようにする事前の段取りの2点と言えます。

Step6 売買契約を結ぶ(ここで終わりではないから注意!)

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「買い付け」からの「売買契約」

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物件を購入される意思を固めたお客様から最初に「買い付け」という申し込み書類が届きます。買主側の不動産仲介会社からFAXで届く事が多いです。

「いまどきFAX」って思われるかもしれませんが、その場で署名頂いた書類をすぐに送付できるという点でFAXを用いる不動産会社が昔も今も多いのです。

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「買い付け」が入った後は早速、買主側の不動産仲介会社と連携しながら契約書類の作成を進めます。契約は「売主様」「買主様」の双方が予定の合う都合を調整して行われるため、一般的には土日が多いですが、夜間に行われる事もあります。

「手付金を受領する」

契約に際しては契約書の押印だけではなく、売主からの手付金を受領します。手付金は売買代金の10~20%程度です。

「仲介手数料を払う」

仲介手数料の全額または半額をこの契約のタイミングでお支払い頂くケースが多いです。当社の場合は半額を契約時にもう半額を決済時にお支払い頂いています。

実際には仲介手数料が持ち出しになるので、用意が必要かというと必ずしもそうではありません。なぜなら、契約時に買主様から手付金を受領するからです。

そのため、契約の押印を頂いて買主様がご帰宅されてからその後に、手付金の中から現金で仲介手数料をお支払い頂くケースも多いです。

余談ですが、「手付」の「倍返し」ってなんですか?

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もしも、契約後に買主様が売買契約を破棄したいと言い出した場合は、手付金の全額を返還せずに受領することができます。「手付放棄」と言われます。まれにですが、住宅ローンが通らなくなったり、買主様の親族の方が強硬に反対し出して契約を破棄するという事もあるらしいです。あるらしいです。という言い方になるのはほとんどないケースだからです。

それに対して、売主様の方から売買契約を破棄したいと申し出る場合は「まず手付金を返す」そして「さらに手付け金と同額を追加で支払う」事で契約の破棄が可能になります。これを手付倍返しといいますが、実際には買主の契約の放棄と同様で手付金額分の損害を呑んで契約を破棄することになります。

このケースもほとんど経験した事はありませんが、まれに「やはり売りたくない」とか「次の住居が決まらない」などの事情で発生するようです。

Step7 決済・引き渡し

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不動産取引は「せーの」で交換する

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決済が行われる日の一日の流れを簡単に説明します。

決済ってどんな一日なの?

売買契約から1か月程度を経て、決済を行います。決済とは実際に物件の売却金額を受領して、同時に鍵の受け渡し等をする作業になります。

決済は平日に行われます。

この日ばかりはお仕事のお休みを調整頂いて平日に買主・売主共にそろってもらう必要があります。なぜなら銀行が営業している時間でないと決済が出来ないからです。

ほとんどの取引が住宅ローンが絡むため、売主が現金での決済が可能で、買主も住宅ローンの残債が無いケースといったごくまれなケースを除いて銀行が必ず決済には絡みます。そのため平日に決済は行われます。それも午前中からスタートするのが一般的です。

決済の場所は銀行の応接室や仲介をするいずれかの不動産会社の事務所で行われる事が多いです。

【決済の日の一日の流れ】

9時00分

銀行の応接室に集合

9時10分

司法書士から登記の説明を売主・買主相互が受ける

9時30分

書類が揃ったら買主側の銀行担当者が住宅ローンの送金手続きを売主側口座にする

10時30分

送金が完了するまで待ち時間はしばしご歓談

11時00分

無事送金が完了したら、売主が自分の口座に着金をしているか確認する。売主がネットバンキングがあればネットで確認できますが、そうでない場合は自分の銀行のATMに行って確認をしてもらいます。住宅ローンの残債がある場合は売主の住宅ローンの借り先の銀行に電話で問い合わせをします。

11時30分

無事着金確認ができたら、今度は売主が住宅ローンの一括返済を銀行に依頼します。(着金確認と同時に処理することもあります。)

12時00分

売主の銀行から住宅ローンの返済確認が取れた連絡が来たら司法書士が抵当権の解除手続きに登記所に行きます。

12時30分

このタイミングで鍵の引き渡しを行って解散となります。

当日中に司法書士が抵当権の解除を行い、後日、買主に権利書が届きます。ものすごく順調に言って上記のような3時間程度の時間で終わりますが、例えば、忘れてしまった書類があったり、銀行の送金手続きが遅れたりするとお昼休憩をはさんで午後まで時間がかかる事もあります。

Step8 引越し・税金関係

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引越しは「売りが先」か「買いが先」かで変わる

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売却をする場合に、いつ引っ越すかは次の家を買うタイミングで費用を負担する内容が変わってきます。

Case1「売り先行型」
マンションを売ってから引っ越す場合

まず、今の自宅を売ってからローンを返済します①。その後に一旦、賃貸等で仮住まいに引っ越します。その後に新たに買う物件の住宅ローン決済をします②。そして、再度引越しをして新居に移ります。

①と②の間にどうしても一定の間隔が必要になります。例えば家を探すタイミングであったり、次の家を購入する際の住宅ローンの決済のタイミングであったり売主の日程調整だったりと。自宅を「売った日」と、次の家を「買う日」にタイムラグが生じるため。その期間だけ短期で住める仮住まいに引っ越します。

この場合、次の家が決まるまでの仮住まい用の賃料が発生します。

Case2「買い先行型」
マンションを買ってから次の引越し先を決める場合

まず、新しい自宅を住宅ローンを組んで購入します①。その後に現在住んでいる自宅を売却します②。現在住んでいる自宅の売却時に住宅ローンの抵当権を外します②。

これも売り先行と同様に①と②の間にどうしても一定の間隔が必要になります。この場合、無駄な引越しが発生しないため、仮住まい用の賃料は発生しませんが二重でローンを支払う期間が発生します。

Case3「同時決済」
当日中にマンションを売って、買ってを同時に行う。

現在の自宅を購入してくれる売主①、現在の自宅を購入した際の住宅ローン先の銀行②、現在の自宅を仲介した不動産会社③、次の家を売ってくれる売主④、次の家を購入する際の住宅ローン先の銀行⑤、次の家を仲介した不動産会社⑥、少なくともこの6者の全てが同じ場所で一同に介して同時に決済を行う方法です。

これは、例えば、同じ金融機関での住宅ローン、同じ不動産会社等で売買の取引を行うのであれば出来るケースもありますが、なかなか難しいケースが多いです。出来たらラッキーくらいに考えておいた方がいいです。

売却で損した場合、得した場合で税金処理が違う

カドウリツRENO

決済時に支払う印紙税や消費税とは別に、所得税、住民税に関しては前年の収入で決まるため、マンションを売却したら適切な確定申告をして節税をしましょう。

売却金額が買った金額より高かった場合

「3000万円特別控除」を活用できる

2,000万円で購入したマンションが3.000万円で売れた場合、1,000万円の利益が発生します。この利益は「譲渡所得」になりますので所得税や住民税の課税対象です。

この譲渡所得を、3,000万円まで控除(課税対象として適用しない)できる特例があります。この特例を使えば、先ほどの1000万円の利益には課税されません。

ですが、メリットばかりではなく、3,000万円特別控除を適用していると、次の自宅を購入する際にに住宅ローンを使う際に、適用できる住宅ローン控除を使えません。どちらを選択するかは、譲渡所得額や借入額によって変わりますので、不動産仲介会社と相談して決めるケースが多いです。

売却金額が買った金額より安かった場合

「損益通算」を活用できる

2,000万円で購入したマンションを1.000万円で売った場合は、1,000万円の赤字が発生します。この赤字分は「譲渡損失」になります。

譲渡損失が出ると、給与所得などにかかる所得税や住民税が安くなります。これを「損益通算」といいます。

さらに、売却した年の所得よりも譲渡損失のほうが大きい場合は、差額分を翌年以降の所得からも差し引くことができます。

この特例を適用するには、売却するマンションのの所有期間や合計所得金額など、諸条件があります。

マンション売却による利益が発生せずに赤字になった場合、法律上は必ずしも確定申告をする必要はありませんが、確定申告によって恩恵を受けられる可能性があります。

そのため、詳しくは不動産仲介会社に相談をしてみましょう。